プライスリスト
検索窓

■口から食べることの大切さ

私たちにとって「口から食べる」ということは、生活を楽しむ上で欠かせないことです。あるアンケート調査で、特別養護老人ホームや老人保健施設などの利用者に「現在の楽しみは何?」と尋ねたところ、一番多かったのは「食事」と答えた人です。 
2021011216264242004.png
口にはたくさんの機能がありますが、食べるときに重要なのは歯、舌、唾液の機能です。歯は食べ物を細かくかみ砕き、すり潰して消化を助ける役割があります。これを咀嚼(そしゃく)と言って、脳や神経系を刺激して活性化させます。

次に舌は味を感じるだけでなく、口にしたものが体にとって危険であるかないかを識別します。また、咀嚼したものを舌と上顎で押し潰し、唾液と混ぜ合わせて飲み込む塊をつくって喉へと流し込みます。 口の中にはやく300〜700種類、数千億の細菌がいるといわれていますが、唾液には食べものの消化を助ける働きと、口の中を殺菌するという重要な役割があります。

唾液の中には免疫系に関わるものが多く含まれているので、唾液が減って口の中が乾燥すると口の中に入ってきた病原菌などを殺菌できなくなり、細菌の住み家になってしまいます。 食べたり話したりすることで唾液も出て、飲み込むと細菌も同時に胃や腸で消化されて、病原菌も処理されます。

口から食べることは、食べものを咀嚼したり飲み込んだり、味を感じさせることで脳や神経系を刺激して活性化させ、全身の免疫力や抵抗力を高めることにつながります。口の機能が低下すると生活の質(QOL)も低下してしまうので口から食べて、その機能を最大限に使い、QOLの維持と向上を目指しましょう。



■鼻呼吸の大切さ

近ごろ、お口がポカンと開いている子どもや若者が多いことに気づかれていますか?そのほとんどは、口で呼吸をしている「口呼吸」の人です。 本来、老若男女を問わず人間の構造上、鼻で呼吸をするようにできています。鼻から息を吸うことで鼻の繊毛や粘液でウイルスや汚染物質の侵入を防いだり、鼻で空気を吸うことで空気が体温近くまで温められたりしますが、口呼吸では冷たい外気のまま肺に届き、肺の免疫力が低下し、肺にかかる負担が増えて風邪をひきやすくなることがあります。

せっかく加湿器や空気洗浄機を部屋に備えていても、口呼吸をしていると口、気道、肺が乾燥し、その効力が薄れてしまいます。 また、鼻呼吸は口の中の唾液の分泌を促します。唾液の中には、ウイルスの活性化や感染力を抑制する物質が存在します。

しかし、口呼吸で口の中が乾燥すると口の中や喉の奥にいる細菌が増殖し、それから出る酸素がウイルスを活性化させ、口臭やむし歯、歯周病に感染するリスクが高まります。 哺乳類は、生まれてから、母乳を吸うことで鼻呼吸を覚えるといわれています。しかし、離乳時期が早いこと、食べものが柔らかくなったこと、指吸いやアレルギーが原因で口呼吸が始まるといわれています。

さらに幼児期から口を開けている時間が長いと、口の周りの筋肉が弱くなるため、歯並びが悪くなったり、上下のかみ合せが開くようになります。さらに口呼吸のまま成人すると、睡眠時無呼吸症候群になるなど、全身的な病気の心配が出てきます。 そうならないためには、お口の周りのリハビリテーションが必要になります。ご家庭でも簡単にできる方法としては「あいうべ体操」があります。

2021010512345513891.jpg

毎日数回この体操をすることによって、舌や口の周りの筋肉を強化することができ、年齢を問わず、鼻呼吸をして健康管理ができることが期待できます。 口呼吸の心配がある方はもちろん、体操のやり方やお口の周りのリハビリテーションにご興味のある方は、お気軽に泉田歯科医院まで相談ください。

 


■歯周病と糖尿病の悪い関係
 
歯周病と糖尿病。一見、何も関係のないように見えるこの二つの病気が、近年さまざまな研究でお互いに影響を及ぼし合う悪い関係にあることが分かってきました。歯周病とはむし歯とならぶ、口の二大疾患の一つです。
 
主な原因は歯と歯ぐきの境目の、磨き残しに含まれる歯周病細菌であり、その歯周病細菌が歯の周りで歯の根を支えている骨を溶かしていく病気です。重症化すると痛み、歯の動揺、臭いなどの症状が出ますが、初期にはほとんど自覚症状がないので、放置すれば気づかないうちに進行する怖い病気です。程度には差がありますが、成人の約8割がかかっていると推測されています。
 
2020122914041336517.png
一方、糖尿病は血液中のブドウ糖が多すぎる状態になる病気です。そしてこの状態が続くと、まず細い血管や神経に影響が出て、網膜症(放置すると失明)、腎症(放置すると人工透析)、神経障害等の合併症を、また太い血管まで影響が及ぶと脳梗塞や心筋梗塞の原因にもなる怖い病気です。

糖尿病も初期には自覚症状がはっきりしないため、内科の健診も治療も受けずに放置すれば重症化しやすい病気です。
 
二つの病気が、互いに悪い影響を及ぼします。具体的には糖尿病が重度になると歯周病が悪化し、治りにくくなり、歯周病が重度になると糖尿病も悪化して治りにくくなります。しかし、悪い話ばかりではありません。逆に言えば、今まで改善しにくかった糖尿病が、歯周病治療を受けることにより改善すること家、糖尿病治療を受けることで歯周病の治療に良い影響が出ることもわかってきました。
現在日本全国で、医科と歯科で連携して糖尿病と州病の治療を行う取り組みも進んでいます。どちらも自覚症状が出にくい病気なので、中高年以降の方で内科と歯科の健診を定期的に受けておられない方は、ぜひこの機会に受診されることをお勧めします。
 
 
 
■歯周病治療が健康を守る
 
皆さんはご存知でしょうか。40歳以降で歯を失う一番の原因は、実はむし歯ではなく歯周病です。日本の成人の約8割がかかっていると言われており、年齢を重ねるにつれ唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥するという事が主要な環境要因の一つとなって、歯周病菌が増えやすい状態へと変化していきます。また、自覚症状がほとんどなく、ひどくなるまで気づかないのが歯周病です。

歯周病は歯を失うだけの病気ではなく、さまざまな疾患に悪影響を及ぼす恐れもあります。例えば「糖尿病」「心臓病」「呼吸器疾患」「早産・低体重児出産」などです。特に歯周病と糖尿病にいては、多方面からの指摘が挙がっています。

まず、糖尿病が歯周病へ与える影響として、糖尿病で高血糖状態が続くと細菌に対する抵抗力が低下し、感染症にかかりやすくなってしまいます。歯周病も細菌感染をしているため、そのリスクは高まります。また高血糖症状では尿が出やすくなることで口の中が渇き、さらに唾液に含まれる糖分濃度が高くなることで歯周病菌が増えやすい環境になります。

次に、歯周病が糖尿病へ与える影響として、歯周病による炎症性物質が血糖をコントロールするインスリンの働きを妨げ、糖尿病を悪化させる危険性があります。最近の研究成果から糖尿病の人が歯周病をしっかり治療すると血糖コントロールの指標であるHbA1cが改善することについては、もはや常識となっています。

歯を残すことは「おいしく食べる」「楽しくしゃべる」「豊かな表情」など、QOL(生活の質)の維持だけでなく、全身疾患の予防にも欠かせません。ご自宅での正しい歯磨きで診に見える部分を綺麗にし、自分ではケアが難しい部分を歯科医院で綺麗にすることで、笑顔あふれる良い人生を送っていただきたいと思います。

 


■楽しい食事
20210617-1.jpg
いかなご、たらの芽、タケノコなど、春はおいしい食材が店先に並びます。しかしせっかくの食事も歯が健康でなければおいしくいただくことができません。取り外しの部分が義歯や総義歯を使っている方から、毎日の食事の苦労をお聞きします。

かぶせや固定式のブリッジではあまり気にならなかったのに、義歯を使うようになってから急に食事がしづらくなったとか、義歯だから柔らかいものしか食べられないとあきらめいてる、といった内容です。

どうして義歯では食事がしづらくなるのでしょうか?多くは、合わない義歯を使用している場合です。これは義歯の修正で対応できる場合と、新しい義歯の製作が必要になる場合があります。

次に、義歯はよくあっているのですが、かみ合わせなどの調製がまだ不十分な場合です。これは新しい義歯を装着して間もない時期によく見受けられます。

診療室では、かみ合わせや、歯ぐきと義歯がよくあっているかを何回も調べます。しかし、食事中の口は上下だけでなく左右や前後に複雑に動いて食べ物を噛みすりつぶしていきます。この精密な調節には回数と時間が必要になります。

義歯は完成までに、型を採ったりかみ合わせを採るために診療所に何回も通う必要がありますが、新しい義歯を使いこなせるようになるためには、それ以上に何回も調整が必要になります。1、2回の調製で治らないから義歯はこんなものだとあきらめずに、かかりつけの先生に相談してください。

また一度なじんだ義歯でも、毎日使用しているうちに少しずつ人工の歯が摩耗し、調整が必要になる場合もあります。義歯とうまく付き合って食事を楽しむためにも、定期的にケアを受けるようにしてください。



■入れ歯の定期検診
20210617-2.jpg
「この入れ歯は何年もつの?」「どれくらいで作り直すの?」と言う質問をよく受けます。入れ歯の材料は通常アクリルレジン(ポリメチルメタクリレート)でできています。これは1937年に発表されて現在に至るまで70年以上もの間使用され続けています。この他にはポリカーボネートを使用する入れ歯もあります。

アクリルレジンの短所には、吸水性がある、汚れやにおいがつきやすい、カンジダ菌を主体とした細菌が付着しやすい、傷がつきやすい、などがあります。入れ歯の試用期間が長くなると、入れ歯を取り巻く口の中の環境は徐々に変化します。

では入れ歯が合わなくなる場合はどんな時でしょうか?

・一つ目は歯ぐきが痩せてきた場合
・二つ目は残っている歯の状態が変化した場合
・三つ目は入れ歯の歯が摩耗してしまい、うまくかめなくなってしまった場合

などが、考えられます

顎の骨は時間の経過とともに吸収していきます。すると、入れ歯が緩くなったり、合わなくなったりします。場合によっては入れ歯が破折することもあります。歯を喪失すると、部分入れ歯ではバネによる支えが効かなくなり、口の中で動くので痛みが出ることがあります。

歯が摩耗すると、以前はかみきれていたものでもうまくかめなくなります。すると、無理にかもうとするため、歯ぐきにあたって痛みが出ることがあります。

入れ歯においても定期検診は必要です。定期検診では、かみ合わせの状態、歯ぐきとの間に隙間がてきて入れ歯が緩くなっていないか、などをチェックします。入れ歯に汚れがついて侭田と口臭の原因にもなります。

入れ歯を快適に使用するには、少なくとも1年に2回の定期検査を受けると良いでしょう。


 


■入れ歯で寿命が伸び縮み?

20210603-1.png2011年の調査で、80歳で20本以上の歯が残っている「8020」の達成者は38.3%となりました。05年にあった前回調査の24.1%から大きく伸び、大変喜ばしいことです。

では、残る歯が増えることで、取り外しができる部分入れ歯や総入れ歯(以下入れ歯)を使う人は減っているのでしょうか? 推計によれば、入れ歯を使用する人の割合は減ってきているのですが、高齢者の人口増により入れ歯を使う人の総数はまだしばらく増えていくようです。

そもそも入れ歯は何故必要なのでしょうか? それは多くの歯がなくなると、奥歯なら「噛みにくい」、前歯なら「見た目が悪い」「しゃべりづらい」などの不便さが生じるためです。失われた機能や形を回復し、残りの歯を守る意味でも歯を補う必要があり、保険治療では入れ歯が選択される場合が多いのです。

では、不便がなければ入れ歯は必要ないのでしょうか? 現在世界中で歯の数と寿命との関係について研究が行なわれています。その結果、研究により差はあるものの、歯があるほど寿命が延びることがわかってきました。さらに別の研究では、歯が少なくても入れ歯で補うことで寿命を延ばす効果があることがわかりました。入れ歯ってすごいですね。

しかし、入れ歯が逆効果になることもあります。実際にあった話ですが、介護施設から最近入所された方の歯が動くので見てほしいと依頼がありました。お口の中を見ると、何カ月も外されいない、汚れたままの部分入れ歯が隣の歯と共にグラグラと動いていました。着けたままの入れ歯が汚れをため込み、隣の歯も痛めつけていたのです。

社会の高齢化が進むと、入院や認知症など様々な理由で自分の入れ歯を管理できない人が増えていきます。汚れた入れ歯を着けたままでいるとお口の中の細菌が増え、誤嚥性肺炎になる危険性も高まります。ご家族を介護されている方や、病院、介護関係者には注意していただきたいものです。



■入れ歯の手入れ
20210603-2.png
質問:「最近、入れ歯を入れている母親が脳梗塞で倒れ、自宅で介護することになりました。麻痺もあり、私が入れ歯の手入れをしてあげようと思いますが、注意すべきことは何ですか?」


お口の手入れが悪いと歯に歯垢(=細菌等)が付着します。歯垢は歯だけではなく、入れ歯にも付着しますので、毎食後と就寝前には、歯と同時に必ず入れ歯の清掃をしてください。

清掃のときは必ず入れ歯を外して、お口の清掃とは別に行います。水かぬるま湯を注ぎながら、普通の歯ブラシか、できれば入れ歯専用のブラシで全体を丁寧に清掃してください。この時、入れ歯を落とすと割れたり変形したりしますので注意してください。お水を入れた洗面器等の上で行うと、落とした時も安心です。しかし入れ歯洗浄剤だけではすべての汚れは除去できませんので、毎日のブラシでの清掃は欠かさずに行ってください。

就寝時のお口の中は特に細菌が繁殖しやすく、入れ歯を装着したまま寝ると入れ歯が細菌のたまり場になりますので、必ず入れ歯を外して寝かせてあげてください。入れ歯は乾燥すると不潔な付着物が固まってしまい、清掃時に除去しようとすると入れ歯にキズが付いたり、除去のために無理な力を加えると壊れたりしますので、必ず清潔な水か洗浄液の入った専用の容器等に保管してください。

また、お母様に麻痺があるとのことですが、お口の清掃も十分に行えないと思いますので、大変だとは思いますが、残ってる歯があれば歯磨きの仕上げもしてあげてください。歯がなくても舌にも汚れが付着しますので、舌ブラシかやわらかめの歯ブラシで舌磨きもしてあげましょう。かかりつけの歯医者があるようでしたら、可能であれば定期的に往診をしてもらうとより安心だと思います。

大阪府歯科医師会及び地域歯科医師会では、訪問診療や訪問口腔衛生指導を行っておりますのでお気軽にご相談ください。

 


■インプラントも歯槽膿漏になる?

スウェーデンにあるルンド大学の教授であったブローネマルクが、1952年にチタン金属が拒否反応を示すことなく骨と結合すること=オッセオインティグレーション=を発見し、その後イエテボリ大学にて研究し、純チタン製のデンタルインプラント(以下インプラント)を開発しました。65年には純チタン製のインプラントの臨床応用が開始され、今現在50年余りが経過します。20210520.png

彼の功績は、ノーベル賞にも値し「デンタルインプラントの父と呼ばれたのですが、2014年12月20日享年85歳でこの世を去りました。

現在、フローネマルク教授が開発したブローネマルクシステムを基に、世界中でさまざまなインプラントが開発され、その数は100種類以上、コピー品も含めると300種類を超えるとも言われています。

今では、これらのインプラントも多くの患者様に受け入れられ市民権を得るようになりました。
その構造もまた先に述べたオッセオインティグレーションをさらに強固なものとして進化を成し遂げ、顎骨の中での安定性と成功率を高めています。

しかしながら、歯槽膿漏(歯周病)により歯を失ったような患者さんの場合には口腔内に歯周病菌が多く存在するため、インプラント治療を行った際、再びそこにプラークが付着し歯周病菌が繁殖しやすい環境となります。つまり、インプラントの歯周病=インプラント歯周炎である感染症に罹患するのです。

これを防ぐためには、日頃から口腔のブラッシングをしっかりと行い歯周病菌を減らしておくことが重要です。気づくのではなく、今、しっかりと口腔内ケアを行うことが、将来のインプラント治療の成功につなげる秘訣であることを知っていただければ幸いです。



■インプラント治療

インプラント治療とは、入れ歯やブリッジのように歯がなくなった場所に歯を創る治療のひとつです。ブリッジは、歯がなくなった場所の両隣の歯を支えにして歯を補う方法ですが、インプラントは、骨の中に人工歯根の金属を埋め込み、その上に1本の歯を作ります。この金属の多くはチタンという材料とされています。そのため、隣の歯を削ったりする必要がありません。このことは大きな利点です。

インプラント治療と義歯やブリッジとの大きな違いは手術が必要なことです。一度骨とくっついたインプラントは簡単に変更することができません。そのため治療に入る前にはさまざまな審査が必要になります。手術の程度は埋めこむインプラントの本数や患者さんの骨の量によって違いがあります。手術に伴って、思い心臓病や糖尿病などの全身的な病気のある人は、治療前に内科の先生ともよく相談する必要があります。

また治療の費用も多くの場合は原則保険適用でないため、全額、患者さん本人の負担となります。インプラントは人工材料であるため虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎と言うインプラントの周りの骨が壊れる病気になります。進行するとせっかく手術で埋入したインプラントを除去することもありますので、事前に残ってる虫歯や歯周病の治療を終了させておくことが大切です。

そして、治療後も定期的に健診を受けることが重要です。

 


■口が開かない!?

「口が開かない、口が開きにくい、口を開けるとあごの関節が痛い」などの開口障害はさまざまなことが原因で起こります。

親知らず周囲の歯肉の炎症(智歯周囲炎)により口が開かなくなることがよくありますが顎関節症または解剖学的な原因で起こることもありますので、治療には歯科医院で正しく鑑別診断してもらう必要があります。

診断する上で大事な情報として

(1)口が開かなくなった時期(ずっと前からか・最近急に開かなくなったのか)
(2)痛みはあるのか・痛いのはどこか(顎の関節か、顎やこめかみの筋肉か)
(3)口を開け閉めするとき音がするか(カクン、ジャリジャリなど)

といった項目があり、詳しく説明できるように要点をまとめて来てもらえると、情報の取りもれがなく、正しい診断につなげることができます。

開口障害の原因が智歯周囲炎などの炎症が原因の場合には、炎症が治まれば自然に治ることもありますが、多くは抗生物質で炎症を抑え、原因歯を抜歯することでおさまります。顎関節症が原因の場合には、咀嚼筋や靭帯の痛みによるもの、間接円板(顎をスムーズに動かす軟骨でできた組織)の偏位によるもの、顎間接の変形によるものなど6種類の鑑別診断が必要とされ、マウスピースを使用するなど、それぞれに対する治療法が異なります。

最近では、痛みがほとんどなく、顎を前後左右に動かすことはできるが、指2本がやっと入る程度にしか口が開かないという病気が注目を集めています。「咀嚼筋腱・腱膜過形成症」といい、痛みがないので本人は病気である認識がなく、歯石を取るとは口が開かないために、歯科医院で初めて浸かることが多いそうです。20210506.png

これには外科治療で対応せざるを得ません。症例にもよりますが、術後のリハビリで指が4本入るまでに改善できる場合があるそうです。

口が開かないなどの症状が出た際には、さまざまな原因がありますので、まずはかかりつけの歯科医院で相談してみてください。



■口の渇き大丈夫?

最近お口が渇いて仕方がない、食事の際に痛みがあり飲み込みづらい、入れ歯ががたついてよく落ちるなどの症状をお感じになられたことはありませんか?

それは最近話題になっている口腔乾燥症が原因かも知れません。現在、口腔乾燥症の潜在患者数は推定800万人とも言われています。原因としては加齢による唾液腺の機能低下、特定薬剤による副作用、放射線治療の後遺症などが考えられます。唾液分泌量の目安は、安静時15分当たり1.5ミリリットル以下、刺激時は10分当たり10ミリリットル以下とされています。

ただ、前述のような症状を感じてもさほど重篤な症状ではないため、患者自身があきらめ、放置される傾向がありまます。歯科としても、これまではあめ、ガムなどを用いて唾液腺に刺激をあたえることや、うがいの励行、こまめに水分摂取、保湿剤の使用などを指導するぐらいでした。

しかし、最近の研究から口腔乾燥症によりむし歯が進行し、また歯周病の重症化を引き起こすので、内臓や循環器の疾患の遠因とも言われるようになってきました。そこで歯科からの取り組みとして従来からの対症療法だけでなく、特別な装置をお口の中に用いて積極的に水分補給する事ができないかと考えられています。

具体的には、マウスピースに吸水袋を取り付けた物や、入れ歯やかぶせに空洞部分を作り貯水槽として水分を注入し、お口の中を常時湿潤じょうたいに保とうとするものです。ただ現段階では装置自体が大きいため、違和感が非常に強かったり、給水量が十分でなかったりと、お口の乾燥状態を解消するには至らないといった問題点や改善個所が多いので、これらの研究課題となっています。

 


■全身の健康と口の健康

現在の日本はかつてない超高齢化時代を迎えるとともに、近代医療の進歩や新薬剤の開発によって、以前と比べると重い病気の方でも通常に近い生活が出来るようになってきました。一方、歯科の領域では、歯周病が糖尿病を悪化させる要因の1つであることがわかり、その関連が注目されたり、血管内の血栓から口腔常在菌が見つかったりと、歯科と全身との関わりがいろいろわかってきました。

さらに、骨粗しょう症の予防やがんの転移を迎えるお薬を飲んでいる方が歯を抜くなどの外科的な処置に伴って、あごの骨が腐ってくることがまれにあることも知られてきました。この他にも、お医者さんから出ているお薬の副作用で、口の中が乾燥するドライマウスになることもあります。

全身の病気がお口の中に悪影響を及ぼしたり、お口の中の状態が全身の病気を重くしたりと、かつては和も芋しなかったことが近年たくさん分かってきました。

このようなことを防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか? まずは、現在持病で通院中の方は最寄りの歯科医院で歯の健診に行ってみましょう。なかなか良くならなかった病気が改善するきっかけになることがあるかもしれません。

認知症や脳卒中のために介護を受けておられる方も、お口の中を清潔にして、入れ歯の作製や調整を行うことでよくかめるようになれば、リハビリの助けになったり、肺炎の予防効果も期待できます。

お口の状態は全身の健康に大きく影響することがあります。特に持病をお持ちの方や介護を受けておられる方は主治医やケアマネージャーにご相談の上、ぜひ歯科受診をしてください。お口の健康を保つことは全身の健康を保つことです。お口の健康で高いQOL(生活の質)を保ちながら、超高齢化社会を乗り切っていきましょう!!



■がん治療と口腔ケア

がんは国民の2人に1人がかかる疾患です。がんの治療とお口のケアがどのように関係すると思われますか?

歯の治療や歯石を除去してお口の中を清潔に保つようにすると、がん手術後の発熱や肺炎を軽減させることはよく知られていますが、がん治療中にお口の中で起きるさまざまな変化とその対処方法を前もって知っておくことも大切です。

抗がん剤や放射線を使用する治療を開始すると、口内炎があちこちにできたり、食べ物の味がわからなくなったり、唾液が減って唇やお口の粘膜がヒリヒリ痛むことがあります。

これらは抗がん剤の副作用による影響ですので、治療がお休みの期間になると、これらの症状は徐々に改善していきます。今のところ予防する方法はなく、食事などの毎日の生活に影響しますので、あらかじめ対処方法を知っておく必要があります。

がん治療中の口腔ケアの基本は、お口の保湿都痛みの軽減です。保湿はゼリー状の製品が各種市販されていますが、こまめなうがいも効果的です。うがい液は自分で簡単に作る事ができますので歯科医師にご相談下さい。
202011191456395610.png

市販のうがい薬でアルコールやメントールが含まれているものは、刺激が強く逆効果ですのでご注意ください。痛みがひどい時期は、食事前に痛みどめを服用していただく場合もあります。また歯ブラシもできるだけ歯肉の粘膜を傷つけないように、普段よりやわらかめの物を使用した方が良いでしょう。

しっかり食事をとることは全ての治療効果を高めます。歯科医師は、国立がんセンターとともにがん医科歯科連携講習などを通じて、がん治療をうける患者様に寄り添った指導をしていますので、がん治療を受けられる方はご相談ください。

 


■インフル予防と歯みがき

例年冬が近づいてくると風邪やインフルエンザが流行ってきます。風邪は「引く」と言い、「罹る(かかる)」とは言いません。平安時代には自然現象の中にはいろいろなところに邪気が潜んでおり、風邪は「風の中の邪気」を身体に『引き入れる」ことでなると思われていたようで、風を引き入れることを「風を引く」と表現するようになったそうです。

鎌倉時代になると、「風」に「邪」という字をつけて「風邪(ふうじゃ)」と呼ぶようになり、明治時代になって「風邪(かぜ)」と読むようになりました。

インフルエンザの主な感染経路には感染者のせきやくしゃみによって放出されたウイルスを他の方が吸い込んで感染する「飛沫感染」と、ドアノブなどを介して、ウイルスが付いた手をよく洗わずに食べたりすることによって感染する「接触感染」があります。
toothbrush.png

ウイルスはさまざまな所に付着し、また、冬場の乾燥した空気の中には長く滞留します。ウイルスの感染力は2〜8時間継続すると言われており、それがお口を入り口として体内に入り感染の引き金となる場合があります。

インフルエンザウイルスは、気道の粘膜に付着して増殖すると考えられていますが、粘膜にはウイルスが付着できないようにタンパク質の膜があり、その侵入を阻害します。ところが、お口の中の、ある酵素はこの膜を破壊し、ウイルスの付着を助けてしまいます。


この酵素は口腔内の細菌が作り出すため、日々の歯みがきをきちんと行い、この酵素の発生を抑えることがインフルエンザの予防につながるのです。

近年、歯磨きは免疫力を高め、成人病や認知症の予防につながるなどさまざまな効果が解明されてきました。毎日の歯磨きの習慣を大切にしましょう。



■体の定期健診

現在、是軒には数えきれないほどの薬が流通しております。血圧を下げる薬、血を固まりにくくする薬、糖尿病治療の薬、骨を丈夫にする薬等、例をあげるときりがありません。

よく、歯が痛むので抜いてほしいと来院される方がおられます。病院で処方されている薬を拝見すると、血を固まりにくくする薬や骨を丈夫にする薬を飲んでいたりします。

歯を抜く治療は出血を伴う処置であるため、血が止まらなくなったり、骨を丈夫にする薬は種類によっては、抜いた歯の周りの骨が死んでしまったりする場合もあります。

歯科医は、来院される患者様のお体の除隊を知るには、かかりつけの病院の主治医にお伺いしないと分からない場合があります。とくに新規の患者様になると、おくすり手帳等がないとどのような薬を飲まれているのかわかりませんし、出血を伴う治療を行うとき、主治医の先生の指示が必要になることもあります。

kensin.jpg
しかしながら、病院をまったく受信したことが無く、知らないうちにお体を悪くしている方もおられます。そのような方は歯科医院受信されるとき、「病気もないし薬も飲んでいません」と答えられるでしょう。歯科医は問診時にその方の様子、表情、話し方によって判断しますが、さすがに限界があります。

麻酔や緊張による血圧の上昇や、抵抗力低下による感染等、歯科治療には最新の注意が必要となります。

このように歯科治療を行う場合、お体の状態により、治療不可能と判断しなければならないこともあります。歯の治療も非常に大事です。

しかし、皆様のお体の健診を定期的に行って、ご自身の健康状態を把握していただくことはスムーズな歯科治療を行うために、とても大事な事なのです。

 


■歯科領域でのX線の被ばくは?

昨今、診療時の被ばくについて興味をもたれる人が増加傾向にあると感じられます。私たちを含む地球上の生き物の中で自然放射線(自然界にもともと存在している放射線の総称)に耐えることができなかった生き物は絶滅しています。

これまで生存してきた地球上の生き物は、ある程度自然放射線に関して問題のない生き物が生き続けているようです。

現在、歯科の領域でのX線を用いた画像診断は、限定された範囲を精密に診るためのデンタルX線写真、口腔内全域を見るためのパノラマX線写真、歯科専用のCTの三つが主に用いられています。

1988年国連科学委員会の報告では、1年間普通に生活した場合、全世界の平均では年間244マイクロシーベルトの自然被ばくがあると報告されています。ただし、地域によっても差があり、高地では空気が薄くなることによって遮蔽性がへるため、宇宙からの放射線は155メートルごとに約2倍になると言われています。

あるいは身近な例として東京ーニューヨーク間を飛行機で往復した場合にはそれだけで約190マイクロシーベルト程度の被ばくの可能性があるとされています。

さて、一般的な歯科用X線装置で1回撮影を行った時の被ばく線量は、デンタルX線写真では約10マイクロシーベルト、パノラマX線写真では約30マイクロシーベルト、CTでは約100
マイクロシーベルトとの報告がされております。

この数値は一般生活における被ばくの数値とかけ離れた値ではありません。被ばくは少ない方が良いですが、歯科診療のために必要なX線撮影による被ばくは、安氏な範囲と理解していただきたいと思います。ただし、妊婦や乳幼児の方はその影響に配慮して緊急以外のX線撮影はなるべく避けた方がよいと思われます。



■癌化学放射線療法における歯科治療の重要性

抗癌剤は、癌細胞を破壊するのと同時に正常細胞にもダメージを与えます。口腔粘膜の再生機能が阻害されるため分裂の早い口腔粘膜の細胞が影響を受けやすく、30〜40%の割合で口腔粘膜炎などの口腔合併症が現れ、そのうちの半数は重症化します。

特に白血病等の治療として行われる抗癌剤の大量投与や造血幹細胞移植では80%に強い口腔粘膜炎が起こります。また口腔領域が放射線治療の照射野に入る頭頸部癌患者では100%発現します。

抗癌剤は免疫力を低下させるため、口腔粘膜炎が起こると、その傷口から最近やウイルスが入り健康なときより感染しやすくなります。口腔合併症には、このほか、味覚異常、歯肉出血、むし歯や歯周炎が原因の口腔感染、ヘルペス感染、カンジダ感染、歯の知覚過敏、口腔乾燥などがあります。

放射線治療は、癌細胞が正常細胞よりもどんどん早く細胞分裂するので、放射線を照射することにより、正常細胞にはあまり影響を与えず、癌細胞にダメージを与えていく治療法ですが、照射範囲内の皮膚や粘膜等の正常細胞にも照射線量が増えることにより影響が出てきます。

特に頭頸部癌の放射線治療では、照射野に口腔粘膜や唾液腺などが含まれるため、口腔粘膜炎や唾液腺障害(口腔乾燥)などの副作用が必ず出現します。ほかには味覚異常、放射線性う蝕(むし歯)、軟組織壊死、放射線性骨壊死などがあります。

口腔粘膜炎や味覚異常、口腔乾燥等は抗癌剤単独の場合より症状が強く、長期化します。このような口腔合併症が重症化すると、癌治療そのものを延期または中止しなければならないこともあり、治療成績・予後に悪影響を与えます。これらのトラブルは口の中や歯の衛生状態が悪い人ほどよく起こります。

癌治療が円滑に完遂するためには、口の中を清潔に保ち、癌治療前にむし歯や歯周病の治療をして、治療後も適切な口腔ケアを継続することが重要です。

かかりつけの歯科医院で定期的な診察を受けて、常に良好な状態を保ちましょう。

 


■金属アレルギーについて

金属アレルギーとは、勤続に接触することにより、かゆみやかぶれなどの症状が出現するアレルギーのことでするピアスやネックレスなどのアクセサリー類を身につけることによって起こることはよく知られています。
kinzoku.png

金属が直接にアレルギーを起こすわけではなく、汗やだ液などによって溶けだした金属イオンが体内に取り込まれて唾液や血液などのタンパク質と結合します。

人の免疫システムはタンパク質と結合したこの物質を異物、異常なものと認識し、再び同じ金属イオンが体内に入ってタンパク質と結合すると免疫システムが過剰に反応し炎症を起こします。

原因はアクセリーだけではなく、見逃せないのが歯科治療用の金属で、口内炎にびらんなどの粘膜炎が発症します。また、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)や扁平苔癬(へんぺいたいせん)、接触性皮膚炎の原因にもなります。

診断方法としては、パッチテストが有名で皮膚に金属試薬を含ませた特殊な絆創膏を背中の皮膚に貼りつけ、アレルギー反応があるかどうかを確認します。ただし、パッチテストでは判明しないこともあり、採血してリンパ球を取り出し、金属を加えてその反応を見る「リンパ球幼弱化試験」な字の検査を行う場合もあります。

また、院生の時は、歯科金属の除去時に発生する微細な金属により、重篤な症状を引き起こす可能性がありますので注意が必要です。

このように口の中にも症状が出現しますので、皮膚科で精査を受け、金属アレルギーと診断されれば、歯科医院を受診して相談してください。



■トゥースウェアについて

※むし歯以外の原因で起きる歯の物理的・化学的侵食の総称

「最近、あちこちの歯が欠けたり、詰め物がポロポロはずれてきたりして、咬みにくいのはむし歯でしょうか?」

お口の中を診察すると、歯の溝の部分や隣り合ったところ(歯と歯の間)に出来る虫歯を治療した際に装着する部分的な金属の詰め物が外れていたり、あるいは、その周りが溶けてしまって今にも脱落しそうな状態でした。よく聞いてみると「3年ほど前から健康に良いということで食酢を毎日欠かさず飲んでいます」ということでした。

むし歯はむし歯菌によって産生される酸によってヒトの体の中で一番硬い頑丈な組織である歯が溶かされてしまいますが、これとは別に酸性の飲料を摂取することによっても起こるトゥースウェアと呼ばれているものの一つです。

初期はエナメル質に限局した艶消し状態ですが、更に進行すると歯は丸みを帯び、歯の輪郭は失われます。酸蝕がエナメル質を超えると、黄白色の象牙質が露出し、進行が加速し、最後には歯の神経がむき出しになってしまいます。そこで毎日の生活習慣を点検してみましょう。

・柑橘類を1日2個以上摂取する
・清涼飲料水を週に4〜6本以上摂取する
・りんご酢を週に1本以上摂取する
・スポーツドリンクを週に1本以上摂取する
・嘔吐が週1回以上ある場合
・胃症状が週1回以上ある場合

などに該当するときには、注意や改善が必要となります。これに加えて唾液の役割も非常に重要になってきます。

通常、口の中では、唾液の希釈作用や緩衝効果により歯は守られているからです。いずれ早期に発見しすばやく処置し、これを予防することが大事です。



■歯のかぶせ物について

歯の詰め物には次のようなものがあります。
口の中で歯にかぶせたり、つめたりする材料は大きく次のように分けられます。

 (1)金属材料 (2)高分子材料 (3)陶材


まず(1)金属材料ですが、金合金、金銀パラジウム合金等か゜あり金属としてのかこうのしやすさや機械的強度を持つことから、小さな詰め物〜ブリッジ等の治療に用いれます。しかしながら金属という事で金属色があり歯の色と大きく異なることが欠点です。

つぎに(2)高分子材料材料ですがコンポジットレジンがあげられます。これはベースとなるレジンにフィラーを混ぜ合わせ加工したものですが、近年では歯と同等の機械的性質を持ち、歯に接着することが特徴的な材料となります。

歯に接着するという事は歯に対して詰め物を固定するための形を整える必要がなくなり歯を削る量が少なくなります。しかしながら吸水性があるため経年的に劣化します。

そして(3)陶材ですがセラミックスというのが一般的です。陶材は歯にもっとも似せて作れることから審美性が高くなります。

しかしながら硬いがもろいという性質のため、咬む力などによって破壊されやすくなります。そのため陶材にアルミナの粒子を添加や金属などとともに組み合わせて使用されます。

以上が歯科における三大材料ですが、それぞれ単独もしくは複合して使用します。例えば陶材の見た目のきれいさと金属の強度があるという性質を利用した陶材焼付け鋳造冠などは材料を複合した代表例とも言えます。

このように歯科材料においては生体に対する安全性を最重要点としてそれぞれの材料の長所、短所をよく理解したうえで使用されていますので安心して治療に臨んでいただいたらいいと思います。また治療に際してご不明な点があればよく歯科医師にご相談することが必要だと考えます。

 



220件中(1件〜10件を表示しています)   前   |