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■全身の健康と口の健康

現在の日本はかつてない超高齢化時代を迎えるとともに、近代医療の進歩や新薬剤の開発によって、以前と比べると重い病気の方でも通常に近い生活が出来るようになってきました。一方、歯科の領域では、歯周病が糖尿病を悪化させる要因の1つであることがわかり、その関連が注目されたり、血管内の血栓から口腔常在菌が見つかったりと、歯科と全身との関わりがいろいろわかってきました。

さらに、骨粗しょう症の予防やがんの転移を迎えるお薬を飲んでいる方が歯を抜くなどの外科的な処置に伴って、あごの骨が腐ってくることがまれにあることも知られてきました。この他にも、お医者さんから出ているお薬の副作用で、口の中が乾燥するドライマウスになることもあります。

全身の病気がお口の中に悪影響を及ぼしたり、お口の中の状態が全身の病気を重くしたりと、かつては和も芋しなかったことが近年たくさん分かってきました。

このようなことを防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか? まずは、現在持病で通院中の方は最寄りの歯科医院で歯の健診に行ってみましょう。なかなか良くならなかった病気が改善するきっかけになることがあるかもしれません。

認知症や脳卒中のために介護を受けておられる方も、お口の中を清潔にして、入れ歯の作製や調整を行うことでよくかめるようになれば、リハビリの助けになったり、肺炎の予防効果も期待できます。

お口の状態は全身の健康に大きく影響することがあります。特に持病をお持ちの方や介護を受けておられる方は主治医やケアマネージャーにご相談の上、ぜひ歯科受診をしてください。お口の健康を保つことは全身の健康を保つことです。お口の健康で高いQOL(生活の質)を保ちながら、超高齢化社会を乗り切っていきましょう!!



■がん治療と口腔ケア

がんは国民の2人に1人がかかる疾患です。がんの治療とお口のケアがどのように関係すると思われますか?

歯の治療や歯石を除去してお口の中を清潔に保つようにすると、がん手術後の発熱や肺炎を軽減させることはよく知られていますが、がん治療中にお口の中で起きるさまざまな変化とその対処方法を前もって知っておくことも大切です。

抗がん剤や放射線を使用する治療を開始すると、口内炎があちこちにできたり、食べ物の味がわからなくなったり、唾液が減って唇やお口の粘膜がヒリヒリ痛むことがあります。

これらは抗がん剤の副作用による影響ですので、治療がお休みの期間になると、これらの症状は徐々に改善していきます。今のところ予防する方法はなく、食事などの毎日の生活に影響しますので、あらかじめ対処方法を知っておく必要があります。

がん治療中の口腔ケアの基本は、お口の保湿都痛みの軽減です。保湿はゼリー状の製品が各種市販されていますが、こまめなうがいも効果的です。うがい液は自分で簡単に作る事ができますので歯科医師にご相談下さい。
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市販のうがい薬でアルコールやメントールが含まれているものは、刺激が強く逆効果ですのでご注意ください。痛みがひどい時期は、食事前に痛みどめを服用していただく場合もあります。また歯ブラシもできるだけ歯肉の粘膜を傷つけないように、普段よりやわらかめの物を使用した方が良いでしょう。

しっかり食事をとることは全ての治療効果を高めます。歯科医師は、国立がんセンターとともにがん医科歯科連携講習などを通じて、がん治療をうける患者様に寄り添った指導をしていますので、がん治療を受けられる方はご相談ください。

 


■インフル予防と歯みがき

例年冬が近づいてくると風邪やインフルエンザが流行ってきます。風邪は「引く」と言い、「罹る(かかる)」とは言いません。平安時代には自然現象の中にはいろいろなところに邪気が潜んでおり、風邪は「風の中の邪気」を身体に『引き入れる」ことでなると思われていたようで、風を引き入れることを「風を引く」と表現するようになったそうです。

鎌倉時代になると、「風」に「邪」という字をつけて「風邪(ふうじゃ)」と呼ぶようになり、明治時代になって「風邪(かぜ)」と読むようになりました。

インフルエンザの主な感染経路には感染者のせきやくしゃみによって放出されたウイルスを他の方が吸い込んで感染する「飛沫感染」と、ドアノブなどを介して、ウイルスが付いた手をよく洗わずに食べたりすることによって感染する「接触感染」があります。
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ウイルスはさまざまな所に付着し、また、冬場の乾燥した空気の中には長く滞留します。ウイルスの感染力は2〜8時間継続すると言われており、それがお口を入り口として体内に入り感染の引き金となる場合があります。

インフルエンザウイルスは、気道の粘膜に付着して増殖すると考えられていますが、粘膜にはウイルスが付着できないようにタンパク質の膜があり、その侵入を阻害します。ところが、お口の中の、ある酵素はこの膜を破壊し、ウイルスの付着を助けてしまいます。


この酵素は口腔内の細菌が作り出すため、日々の歯みがきをきちんと行い、この酵素の発生を抑えることがインフルエンザの予防につながるのです。

近年、歯磨きは免疫力を高め、成人病や認知症の予防につながるなどさまざまな効果が解明されてきました。毎日の歯磨きの習慣を大切にしましょう。



■体の定期健診

現在、是軒には数えきれないほどの薬が流通しております。血圧を下げる薬、血を固まりにくくする薬、糖尿病治療の薬、骨を丈夫にする薬等、例をあげるときりがありません。

よく、歯が痛むので抜いてほしいと来院される方がおられます。病院で処方されている薬を拝見すると、血を固まりにくくする薬や骨を丈夫にする薬を飲んでいたりします。

歯を抜く治療は出血を伴う処置であるため、血が止まらなくなったり、骨を丈夫にする薬は種類によっては、抜いた歯の周りの骨が死んでしまったりする場合もあります。

歯科医は、来院される患者様のお体の除隊を知るには、かかりつけの病院の主治医にお伺いしないと分からない場合があります。とくに新規の患者様になると、おくすり手帳等がないとどのような薬を飲まれているのかわかりませんし、出血を伴う治療を行うとき、主治医の先生の指示が必要になることもあります。

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しかしながら、病院をまったく受信したことが無く、知らないうちにお体を悪くしている方もおられます。そのような方は歯科医院受信されるとき、「病気もないし薬も飲んでいません」と答えられるでしょう。歯科医は問診時にその方の様子、表情、話し方によって判断しますが、さすがに限界があります。

麻酔や緊張による血圧の上昇や、抵抗力低下による感染等、歯科治療には最新の注意が必要となります。

このように歯科治療を行う場合、お体の状態により、治療不可能と判断しなければならないこともあります。歯の治療も非常に大事です。

しかし、皆様のお体の健診を定期的に行って、ご自身の健康状態を把握していただくことはスムーズな歯科治療を行うために、とても大事な事なのです。

 


■歯科領域でのX線の被ばくは?

昨今、診療時の被ばくについて興味をもたれる人が増加傾向にあると感じられます。私たちを含む地球上の生き物の中で自然放射線(自然界にもともと存在している放射線の総称)に耐えることができなかった生き物は絶滅しています。

これまで生存してきた地球上の生き物は、ある程度自然放射線に関して問題のない生き物が生き続けているようです。

現在、歯科の領域でのX線を用いた画像診断は、限定された範囲を精密に診るためのデンタルX線写真、口腔内全域を見るためのパノラマX線写真、歯科専用のCTの三つが主に用いられています。

1988年国連科学委員会の報告では、1年間普通に生活した場合、全世界の平均では年間244マイクロシーベルトの自然被ばくがあると報告されています。ただし、地域によっても差があり、高地では空気が薄くなることによって遮蔽性がへるため、宇宙からの放射線は155メートルごとに約2倍になると言われています。

あるいは身近な例として東京ーニューヨーク間を飛行機で往復した場合にはそれだけで約190マイクロシーベルト程度の被ばくの可能性があるとされています。

さて、一般的な歯科用X線装置で1回撮影を行った時の被ばく線量は、デンタルX線写真では約10マイクロシーベルト、パノラマX線写真では約30マイクロシーベルト、CTでは約100
マイクロシーベルトとの報告がされております。

この数値は一般生活における被ばくの数値とかけ離れた値ではありません。被ばくは少ない方が良いですが、歯科診療のために必要なX線撮影による被ばくは、安氏な範囲と理解していただきたいと思います。ただし、妊婦や乳幼児の方はその影響に配慮して緊急以外のX線撮影はなるべく避けた方がよいと思われます。



■癌化学放射線療法における歯科治療の重要性

抗癌剤は、癌細胞を破壊するのと同時に正常細胞にもダメージを与えます。口腔粘膜の再生機能が阻害されるため分裂の早い口腔粘膜の細胞が影響を受けやすく、30〜40%の割合で口腔粘膜炎などの口腔合併症が現れ、そのうちの半数は重症化します。

特に白血病等の治療として行われる抗癌剤の大量投与や造血幹細胞移植では80%に強い口腔粘膜炎が起こります。また口腔領域が放射線治療の照射野に入る頭頸部癌患者では100%発現します。

抗癌剤は免疫力を低下させるため、口腔粘膜炎が起こると、その傷口から最近やウイルスが入り健康なときより感染しやすくなります。口腔合併症には、このほか、味覚異常、歯肉出血、むし歯や歯周炎が原因の口腔感染、ヘルペス感染、カンジダ感染、歯の知覚過敏、口腔乾燥などがあります。

放射線治療は、癌細胞が正常細胞よりもどんどん早く細胞分裂するので、放射線を照射することにより、正常細胞にはあまり影響を与えず、癌細胞にダメージを与えていく治療法ですが、照射範囲内の皮膚や粘膜等の正常細胞にも照射線量が増えることにより影響が出てきます。

特に頭頸部癌の放射線治療では、照射野に口腔粘膜や唾液腺などが含まれるため、口腔粘膜炎や唾液腺障害(口腔乾燥)などの副作用が必ず出現します。ほかには味覚異常、放射線性う蝕(むし歯)、軟組織壊死、放射線性骨壊死などがあります。

口腔粘膜炎や味覚異常、口腔乾燥等は抗癌剤単独の場合より症状が強く、長期化します。このような口腔合併症が重症化すると、癌治療そのものを延期または中止しなければならないこともあり、治療成績・予後に悪影響を与えます。これらのトラブルは口の中や歯の衛生状態が悪い人ほどよく起こります。

癌治療が円滑に完遂するためには、口の中を清潔に保ち、癌治療前にむし歯や歯周病の治療をして、治療後も適切な口腔ケアを継続することが重要です。

かかりつけの歯科医院で定期的な診察を受けて、常に良好な状態を保ちましょう。

 


■金属アレルギーについて

金属アレルギーとは、勤続に接触することにより、かゆみやかぶれなどの症状が出現するアレルギーのことでするピアスやネックレスなどのアクセサリー類を身につけることによって起こることはよく知られています。
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金属が直接にアレルギーを起こすわけではなく、汗やだ液などによって溶けだした金属イオンが体内に取り込まれて唾液や血液などのタンパク質と結合します。

人の免疫システムはタンパク質と結合したこの物質を異物、異常なものと認識し、再び同じ金属イオンが体内に入ってタンパク質と結合すると免疫システムが過剰に反応し炎症を起こします。

原因はアクセリーだけではなく、見逃せないのが歯科治療用の金属で、口内炎にびらんなどの粘膜炎が発症します。また、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)や扁平苔癬(へんぺいたいせん)、接触性皮膚炎の原因にもなります。

診断方法としては、パッチテストが有名で皮膚に金属試薬を含ませた特殊な絆創膏を背中の皮膚に貼りつけ、アレルギー反応があるかどうかを確認します。ただし、パッチテストでは判明しないこともあり、採血してリンパ球を取り出し、金属を加えてその反応を見る「リンパ球幼弱化試験」な字の検査を行う場合もあります。

また、院生の時は、歯科金属の除去時に発生する微細な金属により、重篤な症状を引き起こす可能性がありますので注意が必要です。

このように口の中にも症状が出現しますので、皮膚科で精査を受け、金属アレルギーと診断されれば、歯科医院を受診して相談してください。



■トゥースウェアについて

※むし歯以外の原因で起きる歯の物理的・化学的侵食の総称

「最近、あちこちの歯が欠けたり、詰め物がポロポロはずれてきたりして、咬みにくいのはむし歯でしょうか?」

お口の中を診察すると、歯の溝の部分や隣り合ったところ(歯と歯の間)に出来る虫歯を治療した際に装着する部分的な金属の詰め物が外れていたり、あるいは、その周りが溶けてしまって今にも脱落しそうな状態でした。よく聞いてみると「3年ほど前から健康に良いということで食酢を毎日欠かさず飲んでいます」ということでした。

むし歯はむし歯菌によって産生される酸によってヒトの体の中で一番硬い頑丈な組織である歯が溶かされてしまいますが、これとは別に酸性の飲料を摂取することによっても起こるトゥースウェアと呼ばれているものの一つです。

初期はエナメル質に限局した艶消し状態ですが、更に進行すると歯は丸みを帯び、歯の輪郭は失われます。酸蝕がエナメル質を超えると、黄白色の象牙質が露出し、進行が加速し、最後には歯の神経がむき出しになってしまいます。そこで毎日の生活習慣を点検してみましょう。

・柑橘類を1日2個以上摂取する
・清涼飲料水を週に4〜6本以上摂取する
・りんご酢を週に1本以上摂取する
・スポーツドリンクを週に1本以上摂取する
・嘔吐が週1回以上ある場合
・胃症状が週1回以上ある場合

などに該当するときには、注意や改善が必要となります。これに加えて唾液の役割も非常に重要になってきます。

通常、口の中では、唾液の希釈作用や緩衝効果により歯は守られているからです。いずれ早期に発見しすばやく処置し、これを予防することが大事です。



■歯のかぶせ物について

歯の詰め物には次のようなものがあります。
口の中で歯にかぶせたり、つめたりする材料は大きく次のように分けられます。

 (1)金属材料 (2)高分子材料 (3)陶材


まず(1)金属材料ですが、金合金、金銀パラジウム合金等か゜あり金属としてのかこうのしやすさや機械的強度を持つことから、小さな詰め物〜ブリッジ等の治療に用いれます。しかしながら金属という事で金属色があり歯の色と大きく異なることが欠点です。

つぎに(2)高分子材料材料ですがコンポジットレジンがあげられます。これはベースとなるレジンにフィラーを混ぜ合わせ加工したものですが、近年では歯と同等の機械的性質を持ち、歯に接着することが特徴的な材料となります。

歯に接着するという事は歯に対して詰め物を固定するための形を整える必要がなくなり歯を削る量が少なくなります。しかしながら吸水性があるため経年的に劣化します。

そして(3)陶材ですがセラミックスというのが一般的です。陶材は歯にもっとも似せて作れることから審美性が高くなります。

しかしながら硬いがもろいという性質のため、咬む力などによって破壊されやすくなります。そのため陶材にアルミナの粒子を添加や金属などとともに組み合わせて使用されます。

以上が歯科における三大材料ですが、それぞれ単独もしくは複合して使用します。例えば陶材の見た目のきれいさと金属の強度があるという性質を利用した陶材焼付け鋳造冠などは材料を複合した代表例とも言えます。

このように歯科材料においては生体に対する安全性を最重要点としてそれぞれの材料の長所、短所をよく理解したうえで使用されていますので安心して治療に臨んでいただいたらいいと思います。また治療に際してご不明な点があればよく歯科医師にご相談することが必要だと考えます。

 


■抗血栓療法を受けている患者の抜歯
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高齢者社会となり、歯科診療にも基礎疾患を有した患者さんの占める割合が増加してきました。そのなかで 抗血栓療法を受けている患者さんも多く、観血的処理(抜歯など)に対して、より慎重な対応が必要になってきております。

以前、抗凝固薬であるワルファリンや抗血小板薬のアスピリンなどを服用されている患者さんは、観血的処置に際して、術中、術後の出血が懸念されるために同薬剤の投与中止が慣習化されておりました。しかし近年では、同薬剤の中断により血栓・塞栓症を誘発する危険性が問題視されております。

抜歯に当たり、ワルファリンを中断すると約1%に重篤な脳梗塞を発症し、死亡例の報告もあります。また、脳梗塞の再発予防のため服用しているアスピリンを中断すると、脳梗塞の発症率は3.4倍になるとされています。よって同薬剤は中断することなしに抜歯することが望ましいとされております。

しかし、未だに医師と歯科医師の間で統一見解がなく、各施設での対応が異なり、なかには服薬を中断して抜歯する場合もあるようです。また、抜歯時には同薬剤を中断すると認識している患者さんも多く、勝手に服薬を中断している場合もあり、問題となっています。

よって、今回、歯科領域において日本人に適したエビデンスに基づくガイドラインが作成されました。ガイドラインでは血液凝固能検査のPT-INR(ProthrombinTime-International Normalized Raito:プロトロンビン時間の国際比、以下PT-INR)値が2.0〜3.0の治療域に安定している場合にはワルファリンは継続したまま簡単な抜歯を施工しても重篤な出血性合併症は少ないため、十分に局所止血処理を行うことができるなら中断する必要はないとしています。

ただし、埋伏歯や歯肉を切開し骨を削除するような難しい抜歯に関しては、より慎重な対応が必要となります。また、大出血が予測される手術で、さらに血栓の危険が高く中断できない場合には、同薬剤を中断してヘパリンという抗凝固剤に切り替える(ブリッジング療法)必要があります。

なお、PT-INRは変動するので、少なくとも72時間前の値を参考にするのが望ましいとされています。

このように抗血栓療法を受けておられる患者さんは、医師と歯科医師との緊密な連携が必要ですので、歯科医には、現在の病状・投薬内容などを知らせること、そして主治医とよく相談して指示に従い、絶対に自己判断で薬剤を中断しないようにしてください。

 


■かみしめ癖って何?

お口の中を見ると、舌の縁に歯の型がついていたり、頬の内側にスジがついたりしていませんか?これは上下の歯が接しているところに、舌や頬などの柔らかい粘膜が歯に押し当てられてついた跡です。これがあると、その人は歯を噛みしめる癖を持っていることが分かります。

実は、安静にしている時には上下の歯は当たってない、つまり噛んでいないのが普通なので、この粘膜押し当てられた跡はない方がよいのです。食事の時と荷物を持つときなど身体に力を入れるときには、奥歯で食いしばるために上下の歯は当たりますが、それ以外は前歯で1、2ミリのすき間があり、安静空隙と言われています。

安静にしている時に噛んでしまう癖が、かみしめ癖といわれ、細菌いろいろなお口の症状の原因になっていると考えられています。ただし、病気とまでは呼べないため、「癖」と呼ばれているのです。

かみしめ癖により歯を噛んでいる時間が長くなると、歯が欠ける、詰め物が外れる、歯がぐらぐらする、歯が痛い、などの歯の症状が出ることがあります。ひどくなれば顎がカクカクという、顎が痛い、口が開かない等の顎関節症の症状も出る場合があります。また、顎を閉じる筋肉を酷使することになり、肩こりや頭痛が生じることもあります。

対処法として、歯が当たっていることを自覚することが噛みしめ癖を改める第一歩になります。「上下の歯を当てない」と書いたメモを目のつくところに貼ることが勧められており、気がついたときに歯を浮かすようにしましょう。

また、舌の先が下顎前歯の根元辺りにあると無意識のうちに上下の歯同士が当たってしまいます。下の位置は上顎についているのが望ましいです。唇を閉じて、舌を上顎につけて、鼻で息をすると、自然と安政位がとれます。かみしめ癖は自分では気付かないので「癖」なのですが、身体に悪い影響を及ぼします。一度、何気ない時に歯と歯ぐきが当たってないか、注意してみてください。


■舌は元気ですか?

「食べる」時は歯、舌、頬を強調させて食べ物を咀嚼し、飲み込んでいます。今回は舌に焦点を絞ってお話します。

舌は、舌の形を変える筋(内舌筋)と舌を動かす筋(外舌筋)からできています。2021012109443136737.jpg食事の時、舌は歯で噛み砕かれた食べ物を集めて、舌の上で飲み込みやすい塊にして、喉の奥へ送り込んで飲み込みます。これら一連の動作は意識的に行われるのではなく反射的におこります。

しかし、脳卒中などで飲み込む機能が障害されたり、加齢で飲み込む機能が低下したりすると食べ物が誤って気管に入っていまい、誤嚥性肺炎を発症することがあります。飲み込む機能が低下した場合、トレーニングやリハビリテーションにより機能を回復することが期待できます。

若年層でもうまく舌を痞えていない方がおられます。正しい呼吸法はしたが上あごにつき、唇を閉じて鼻で呼吸します。鼻呼吸がうまくできないために口呼吸になってしまう方もおられ、歯周病やむし歯の原因となります。歯並びも舌の状態に大きく影響されることがあり、子どもの頃から舌の癖を矯正して舌の位置を正す必要があるお子様もおられます。

このように何気なく使っている舌が皆さんの健康維持に大きな影響を及ぼす要因の一つであることが少しおわかり頂けたでしょうか。安静時、舌の先は上あごの前歯の少し後ろに軽く触れている状態が望ましい位置とされています。一度確認してみてはいかがでしょうか。

 


■入れ歯、お手入れ大丈夫?

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誰でも毎日歯みがきするように、入れ歯も毎日のお手入れが大切です。では、あなたのお手入れは間違っていませんか?

食べた後の食器を洗剤につけるだけの人はいないでしょう。同様に、入れ歯を洗浄剤に浸けるだけでは不十分です。入れ歯には食べ物の汚れに加え、口の中にいる細菌やだ液の成分が混ざり合い、食器以上に汚れが付いています。それを取り除くには、入れ歯を機械的かつ化学的にお手入れする必要があるのです。

まず機械的なお手入れとは、入れ歯専用ブラシによる手洗いです。流水もしくは入れ歯用の磨き剤で洗います。その際、目に見える汚れがなくなるまで洗いますが、高齢で視力に不安がある方は、指触りでヌメヌメ感が無くキュキュッとする感じを目安に磨き、手洗いに不安がある方は家庭用超音波洗浄機に数分が浸けるのも良いでしょう。

次に科学的なお手入れとは、入れ歯洗浄剤による除菌です。これは見えない細菌を取り除くことが目的ですので、見える汚れを機械的に取り除いた後に使用してこそ効果が発揮されます。そこで、除菌効果のある入れ歯用の磨き剤を用いて手洗いすれば、機械的かつ化学的なお手入れを同時に行うことができ、また家庭用超音波洗浄機と入れ歯洗浄剤を併用することでも、同様の一石二鳥の効果があります。

また、唾液の減少による口腔乾燥症も、入れ歯の汚れを助長し、さらに入れ歯の安定を悪くして痛みを起こしやすくします。そこで、ジェルタイプの保湿剤やクリームタイプの入れ歯安定剤を使用すると、そういった不具合を改善してくれます。

このように、ご家庭でのお手入れは、入れ歯を長持ちさせるだけでなく、お口全体の清潔や残っている歯の健康維持、口臭予防、そして肺炎予防に絶大な効果を発揮します。

しかしながら、防ぎきれない入れ歯の材質内への細菌浸透もありますので、歯科医院での定期的チェックは必須です。



■入れ歯安定剤について

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大型のスーパーやドラッグストアが増え、入れ歯安定剤が簡単に手に入るようになり、歯科医院にも通わずに入れ歯安定剤を使用している方も大勢いらっしゃるかと思います。また、老人ホームや一般病院などでも歯科医師の指導のないまま安易に使用されているために、不適切に使用されていることも多いと考えられます。

歯科医師は、入れ歯安定剤を使用する必要のない入れ歯を提供しようと努力をしてきたため、少し前までは入れ歯安定剤に対して批判的な態度をとってきました。しかしながら現在では、緊急を要する場合や高齢、もしくは病気などで歯科医院に通うことができない場合もあるため、完全に否定するというわけではありません。

もちろん歯科医師としては入れ歯が合わなくなった場合は調整もしくは新たに入れ歯を作成することをお勧めしますが、体調不良で歯科医にかかることができない場合や、入れ歯の修正などで不安定な場合などの短期間にのみ、入れ歯安定剤の使用を認める方向になってきています。

そもそも、入れ歯が合わなくなったという理由は大きく二つの原因が考えられます。一つは入れ歯の歯が擦り減って咬み合わせが悪くなった場合、そしてもう一つが歯ぐきが痩せた場合です。

入れ歯安定剤とは、入れ歯が外れやすい、入れ歯が動く、入れ歯の裏に食べかすが詰まりやすいという症状に対して効果を発揮するものなので、入れ歯の歯がすり減った場合には効果がありません。間違った使用をすることによって、入れ歯が破損したり、歯ぐきが幸来にせてしまったりすることもあるのです。

このようなことを理解した上で、入れ歯が合わない場合はまず歯科医師に相談し、入れ歯安定剤を使用する場合は歯科医師の指導のもとで行われることをお勧めします。

 


■むし歯と唾液

1989(平成元)年より厚生省(当時)と日本医師会が推進している8020運動は、80歳になっても20本以上自分の歯を保とうという運動です。2015(平成27)年現在、平均保有歯数20本以上達成している年代は69歳までであり70歳以上は平均保有歯数20本をきっています。

歯を失う原因としては、大きく分けて、「虫歯」と「歯周病」の2つがあげられます。これらむし歯と歯周病の予防策として一番にあげられるのは汚れをとることです。日本人の大半は歯みがきの習慣があります。しかし、汚れを的確にとりきれていないのが実情です。歯科医院に行き、ブラッシング指導を受けることにより予防の効果は高まります。

むし歯の予防にとって、唾液も大変重要な要因の一つとして考えられています。唾液には、歯や粘膜表面から汚れを洗い流す作用がありますし、飲食により酸性に傾いた口の中を中性に戻す作用もあります。

また、唾液の中にはカルシウムや無機リン酸などが含まれており、歯の表面を再石灰化する役割もあります。また、ラクトフェリンや免疫グロブリンなどの抗菌作用を有する成分も含んでいます。その他に、唾液は発音や会話をスムーズにするための潤滑油の役割も、もっています。このようなことから、唾液が少ないとむし歯になりやすくなると考えられています。

この唾液は血液から作られており、大人の人では一日に1〜1.5リットル作られていますが、緊張やストレスによりその量が減ります。また薬の影響で減少する場合もあります。唾液が出にくくなるシェーグレン症候群という疾患もあります。

唾液を検査することによりむし歯になる危険度がわかりますので、口の中がねばねばしたら一度歯科医院いくことをお勧めします。



■酢の健康法

ある日、診療所に50代の男性が来られました。定期健診の時期も過ぎて半年ぶりの来院です。歯が少ししみるのでむし歯じゃないかと言うのです。お口の中を見て直ぐに異変に気づきました。前歯が「薄く」溶けています。

毎回歯の写真を撮っているわけではありませんが、半年前は絶対にこんな歯ではかなったはずです。「この半年で何か習慣が変わったことはないですか? 食生活とか」と尋ねました。「そう言えば、健康のためにお酢を飲むようになりました。家族は薄めて飲んでいますが、私は原液で飲んでいます」

あらかじめ断っておきますが、お酢は身体にとてもいいものです。疲労回復をはじめ、さまざまな長所があります。ただ酸性度が高いため、特に原液ともなると歯が溶けていくのです。このようにむし歯とは関係なく「酸」によって歯が溶けることを「酸触症(さんしょくしょう)」といいます。他にも酸性度の高い食品は多く、これらを習慣的に摂取することで酸触症は起こります。

代表的なものではレモン、ミカン、グレープフルーツなどの柑橘系の果物やジュース、炭酸飲料やスポーツ飲料など、おおまかにいうと「酸っぱいもの」、また食品ではありませんが酸性の強い温泉水などの引用も酸触症を起こします。

これらの食品を摂取する時は注意が必要です。このお酢のように薄めるよう指示があれば必ず薄めてください。原液は歯にとって非常に危険です。それから、口の中に残った後味を楽しまず、早めに水でお口をゆすいでください。

身体に良い食品の摂取をやめる必要はありません。少しの弔意で歯を溶かさないよう防ぐことができるのです。


 


■顎関節症について

近ごろ、「顎が痛い」「口が開けにくい」「顎の関節から音がする」と言われる方をよく見かけます。これは顎関節症の主な症状です。口を精一杯開けようとしても指2本程度しか開かなかったり、口の開け閉めの途中でひっかかる感じがある場合には顎を動かす筋肉に原因がある、間接に原因がある、またその複合型が考えられます。

筋肉に原因がある場合は咀嚼や顎をささえるのに関係している筋肉のマッサージをしたり、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤を投与することもあります。起床時に筋肉に痛みやだるさがある場合は、夜間の歯ぎしりが影響していることもありますので、マウスピースによるスプリント療法が有効なこともあります。

顎間接には間接円板と呼ばれるクッションのような役割をする組織がありますが、間接に原因がある場合は間接円板が損傷を受けたり、位置のずれや変形を起こしていることがあります。また、間接を構成する骨が変形していることもあります。

それらの治療方法はスプリント療法が一般的です。変形した骨が完治することはないですが、マウスピースを装着することにより、歯や顎にかかるダメージを受け止め、進行を阻止してくれます。間接円板の位置がずれている場合はご自身による開口訓練を指導することもあります。

以前は外科的な治療方法も行われましたが、期待されたほどの結果が得られなかったため、現在はほとんど行われておりません。ただ、あごの関節の周囲には耳下腺など他の組織もありますので、全身的な状態も含めた診断が必要になります。

顎の痛みや異常を感じられる場合は、一度、泉田歯科医院にご相談ください。



■あごがよく外れます

耳の穴の少し前に、頭や顔の骨と下顎をつないでいる顎関節があります。普段は正常に機能していますが、歯科治療やあくびなどで極端に大きく口を開けた時、間接が外れることがあります。これを顎関節脱臼と言います。「あごが外れた」状態のことです。左右両側で起こる時、片側だけで起こるときもあります。症状は、関節部の痛み、脱臼した側の顎関節部の陥没、口が閉じないため唾液が漏れ出るなどがあります。

原因は、関節部の骨の形の凸部や凹部が平坦になったこと、関節周囲の靭帯や腱が伸びたこと、かむ時に使う筋肉が疲労し、口を開けた時に前方下方に移動した下顎を後方に引き戻す筋力が低下したなどが考えられます。

また、多数の歯を短期間で失うなど、口の中の急な環境変化によっておきる可能性があります。加えて、顎関節脱臼を繰り返しお越し、外れることが癖になり、あくびの毎に顎関節が外れるような状態を習慣性顎間接脱臼と言います。数回の脱臼を繰り返した後、ついにあごが戻らなくなり、症状が重篤になってから歯科医院を訪れる方もおられます。

治療は症状の確認とX線検査の後、外れた関節を元の位置に戻す処置をします。脱臼発生後からの時間経過が短いほど元の位置に戻しやすいです。再脱臼防止のため固定を行い、運動の制限を指示し、数日間経過観察します。しかし、発生後長時間が経過した場合は、間接構造が変化し、元の位置に戻すことが困難となり、手術をしなければならないことがあります。

また、習慣性顎間接脱臼の治療にも手術が必要になることもあります。手術が必要になった時は、CT検査などが追加されることもあります。症状に気づいたら、早急に歯科医院の診察を受けましょう。

 


■メタボリック症候群と歯周病の関係

最近巷では、お茶から炭酸飲料まで、脂肪を吸収しにくくする特定保健用食品が大ブームです。また、メタボリック症候群の予防のために始まった、いわゆる「メタボ健診」(特定健診・特定保健指導)が2008年4月より行われています。

メタボリック症候群(以下メタボ)は、食べ過ぎや運動不足など、悪い生活習慣の積み重ねが原因となって、内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)を共通の要因として高血糖、歯質以上高血圧が引き起こされる状態です。

それらの状態がいくつか重なると、心筋梗塞や脳卒中などの命に関わる危険な病気を招くこともあるのです。

メタボの人は歯周病にかかりやすく悪化しやすいことが知られています。歯周病は、お口の中の歯周病菌が歯の周りの骨を溶かして、最終的には歯が揺れて抜けてしまうことさえある怖い病気です。

そして最近の研究で、歯周病はメタボの進行をより悪化させ、危険な病気を招く可能性を高めることも分かってきました。歯周病菌が作り出す毒素が血液中に入り全身に回って、心臓病や脳卒中、糖尿病、肺炎などを引き起こすこともあるのです。

メタボの予防は、食生活の改善、十分な睡眠、禁煙、適度な運動など、生活習慣を改善することが基本となります。歯周病の予防は、メタボの予防にも大きく関わっています。原因となるプラーク(歯垢)を日々の歯磨きで丁寧に除去し、歯科医院で定期的に歯石除去を含めた健診を受ける事が大切です。

また、よくかんで食べることは、殺菌・洗浄効果のある唾液の分泌を促し歯周病の抑制につながると同時に、満腹中枢が刺激されて食べ過ぎの予防にもなります。

メタボと歯周病を双方から予防することで、おいしく健康な日々を送ることができるのです。


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侵攻した歯周病菌・その他によって顎の骨が溶け始め、抜け落ちてしまいそうな歯』



■定期検診で歯周病予防

定期健診の必要性について、なるべくわかりやすく説明したいと思います。

定期健診ですることは、歯磨きがしっかりできているか、新たなむし歯ができていないか、などいろいろあります。中でも、成人の8割がかかっているといわれる歯周病の定期健診の重要性について説明します。

歯周病とはどんな病気でしょうか?
歯周病とは、プラーク(歯垢)の中の歯周病原菌が歯茎に炎症を起こし、徐々に歯の周りの組織を破壊していく細菌感染症です。痛みなどの自覚症状がなく進行することが多いので、サイレント・ディジーズ(静かに進行する病気)と呼ばれ、症状が進行すると歯をささえている骨を溶かし、やがて歯が抜けてしまう原因になります。

また歯周病は単に口の中だけの病気ではなく、全身の病気と関係していることが注目されるようになっています。

例えば、メタボリックシンドロームの要因の一つである肥満の方は脂肪細胞から次々と炎症物質が放出され、それが歯ぐきの炎症を引き起こし、歯周病の発症や進行と関係するのではないかと考えられています。

また、糖尿病の方は歯周病にかかっている割合が高く、重症化しやすいことがわかっています。同様に、歯周病のある人はない人と比べて歯科疾患を発症するリスクが高いと言われていますし、歯周病原菌は肺炎の原因となるものが多いので、高齢、認知症など食物の飲み込みをうまくできない人は、特に注意が必要です。

このように全身の病気の引き金になりますので、2、3カ月毎に定期的に歯周病に関連した検査を受け歯磨きの状態をチェックしてもらい、歯石や歯垢の除去といった歯科医師、衛生士の専門的なケアを受ける事が重要です。

 



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